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一般社団法人アーツスプレッド 〜Life with music〜

室内楽コンクール2015 第1位入賞者コンサート開催

ザルツブルク=モーツァルト国際室内楽コンクール入賞者に贈られる副賞(ドイツ・レリンゲン五月祭出演権利)により、グループ名:Adamが出演されました。
◆日時:2016 年 5 月 27 日 ~ 5 月 29 日 (3日間)
◆場所:ドイツ、Rellingen
◆会場:Rellinger Kirche
◆出演者:Adam
ソプラノ・サクソフォン:山下友教(やましたともゆき)
アルト・サクソフォン:田口雄太(たぐちゆうた)
テナー・サクソフォン:野原朝宇(のはらともたか)
バリトン・サクソフォン:奥野祐樹(おくのゆうき)
◆演奏曲目:J.S.バッハ:イタリア協奏曲 BWV 971
原博:サクソフォーン四重奏のための《セレナード》より 第1、4、5楽章
P.イトゥラルデ:ギリシャ組曲
D.マスランカ:レシテーション・ブックより 第1、5楽章

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◆Report

Adam

 今回、少し余裕を持って早く到着しましたが、初めてのドイツは、とてものどかな所で日本のような目まぐるしさもなく、いつも以上に音楽に没頭することが出来ました。May Festivalの会場となったRellinger Kircheは、1754~1756年に建てられたようで、当時、この教会の建築を祝ってテレマンが曲を委嘱したという話を現地の方からお聞きすることができました。このような200年以上前の建造物が日常の中で普通に使われている事にカルチャー・ショックを受けました。
 このMay Festivalは毎年催されているそうで、Rellingenの村では重要な催しの一つです。現地の方々の多くは、聖歌隊などで音楽に触れる機会が多く、クラシック音楽が身近な存在となっているようでした。会話をしていると、譜面は読めなくとも音楽に対する文化レベルが非常に高いように感じました。
 音楽祭は、3日間催されました。1日目は、ピアノソロでチャイコフスキー、チェロのソロでモダン・ミュージック(しかも作曲家も会場に居合わせていました)、そしてル ツ・レスコヴィッツさん率いる弦楽6重奏によるブラームス。どの演奏も非常に素晴らしいものでしたが、私が驚いたのは、聴衆のほとんどはごく普通の現地の方々だったにも関わらず、皆さんが聴き入るように耳を傾けており、その曲の良さ、演奏の素晴らしさを堪能していたということです。日本でこのプログラムを一般の方が聴いたとして、果たしてどの程度理解し、楽しむことが出来るでしょうか。私は、この会場に居合わせた方々の音 楽的な教養の高さに唖然としました。
 2日目は、前半に室内楽でバッハ、その後リコーダーとトランペットのコンチェルトがあり、後半は私たちの演奏でした。ホスト・ファミリーや理事長に添削してもらい、MCも全てドイツ語で話しました。とにかく、集中して聞いてくださっているのがひしひしと感じられ、その場の空気が一体となったような感覚がありました。楽章ごとに拍手を頂いたり、一曲終わるごとに立ち上がってブラボーと叫んで頂いたりと、未だかつて味わった事のないくらいの温かな歓迎を受け、非常に素晴らしい時間を過ごすことが出来ました。さらに、終演後、1日目のモダン・ミュージックを書いた作曲家の方が、サクソフォン・カルテットの曲をプレゼントしてくださいました。日本でいつか演奏出来たらと思っております。
 3日目は、ハイドンのトランペット・コンチェルト以外、全てモーツァルトというプログラムでした。ザルツブルク=モーツァルト国際室内楽コンクールを受けてここにきたので、感慨深いものがありました。そして最後にはルツさんのコンチェルト。素晴らしい威厳のある演奏でした。3日間を通して、出演者の皆さんの演奏は、とても生き生きしており、まるで鼻歌のような自由さと自然さがありました。そして皆さん楽しそうに演奏していましたし、なにより、音楽への集中力を強く感じることが出来ました。ここで感じたことを自身の演奏にも生かしていきたいと思っております。
 このMay Festivalをはじめ、今回の旅全体を通して、日本という国をより客観的に見ることが出来るようになったように思います。清潔さ、勤勉さ、精巧さ、奥ゆかしさなど、日本ならではの良さに気づけた一方、芸術に関しては日本はまだ重要性を見いだせていないように感じました。こんなに物がありふれているのに、国民全体の幸福度指数が低いのも、そういった芸術文化の土台がしっかりしておらず、心が満たされていないからなのではないかと感じました。 私たちの活動が少しでも日本の芸術文化の活性化に貢献できよう、今後も頑張っていきたいと強く思います。

◆Program

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